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【乗車記】特急大雪 キハ283系で石北本線をひた走り網走へ

こんにちは。

今回は北海道の旭川と網走を結ぶ特急大雪の乗車記をお届けします。

乗車するのは特急大雪。旭川と網走を結ぶ石北本線の特急列車で1日2往復が運行されています。ただし2021年より臨時列車の扱いとなり、現在は需要の見込まれる日のみの運行となっています。閑散期には平日の火水木に運休日が設けられていることが多くなっています。

特急大雪で運行されている車両はキハ283系という車両。2023年の3月まではキハ183系の運行でしたが、引退に伴って2022年まで特急おおぞらとして札幌釧路間を走っていた車両が充当されることとなりました。この車両切り替えによって4両編成から3両編成へと短くなり、グリーン席も消えました。

今回はこのようにして2023年の3月より大きな変化を迎えた特急大雪を全区間利用してきたので、車両も車窓も含めてじっくり紹介していきたいと思います。

 

以下目次です。

 

それではスタート!!

旭川駅から石北本線の旅のはじまり

特急大雪の始発駅は旭川駅です。今回は旭川駅を17時過ぎに出発する特急大雪3号に乗車します。旭川駅は今回乗車する石北本線のほかにも、函館本線に宗谷本線、富良野線が発着する一大ターミナル駅になっています。ホーム数も多く各方面へと向かう列車が発着している様子が出発案内からもうかがえると思います。

 

乗車する特急大雪の乗り場である3番線へとやってきました。出発の15分ほど前でしたが既にホームには乗車する大雪が停車をしていました。自由席車が1両しかないということで、自由席利用の際にはなるべく早くやってくるといいかもしれません。

旭川と網走を結ぶ主力の特急列車とはいえ3両編成はやはり迫力に欠けるような気もします。実際キハ283系は特急おおぞらで用いられていた際には6両編成や9両編成といった特急らしい長い編成を組んで運行されていました。

 

乗車する大雪が停車しているお隣のホームを見てみると、特急列車が2本止まっている光景が目に入りました。手前に停車しているのは宗谷本線で用いられる特急サロベツや宗谷の車両。こちらは4両編成で最北の地稚内を目指し運行されます。

その奥に見えているのはこちらは電車特急、特急ライラックとして札幌を旭川を結んでいる特急列車です。かなりの高頻度運行がされており旭川駅始発終着の特急大雪やサロベツとの札幌への接続を担っている特急列車でもあります。

 

旭川駅のホーム上には特急列車の乗車案内をしてくれるサイネージが設置されています。これを見ればどの号車がどの位置から乗車できるのか、また指定席や自由席の位置も一目瞭然です。今回乗車する特急大雪は網走方面が1号車で、自由席は最後尾車両となっています。3両編成ということもあって、すべての号車がコンコースへと結ぶエスカレーターと階段の間に収まっています。

 

新天地で活躍するキハ283系

特急大雪に使用されるのはこちらのキハ283系の車両。JR北海道の特急列車には多い運転台が上にあるスタイルの車両になっています。2023年3月まで石北本線で活躍していたキハ183系の引退に伴ってJR北海道の特急列車の中ではかなり古参の車両になっています。制限速度もあり札幌釧路間の特急おおぞらのような走りはありませんが、まだまだこれからも活躍することになりそうです。

 

石北本線の特急に投入されるにあたり、先頭車両の運転台付近の側面のデザインが新たになっています。石北本線の特急大雪とオホーツクの停車駅がある自治体にちなんだデザインが施されています。全部で8種類のデザインがあり、今回の車両は美幌町大空町のデザインでした。乗る際にはぜひ注目してみたいポイントですね。

 

今回は1号車の指定席を取っています。ネット予約が可能なえきねっとから申し込むと席数限定ですが半額近い料金で旭川から網走まで乗車することができるので要チェックです。指定席なので座席に座れないのではないかなんていう心配も不要です。

車体のデザインは特急おおぞらで使用されていた時と変化なく、ドア付近には赤青緑で彩られて、特急大雪網走行きと号車が書かれている液晶が設置されています。

 

1号車指定席の車内へと入ってきました。車内はご覧のような様子で、手前には荷物スペースが用意されています。3両編成ながらもすべての号車に化粧室が付いている充実仕様でした。

 

指定席の座席はこんな感じ。JR北海道の特急列車ではよく見る座席の形になっています。長い乗車時間となるので座席の快適性はそのまま移動の快適さに直結してきます。この座席であれば大丈夫かなといった形です。自由席はまた異なる座席になっているようです。

 

前の座席の背面にはテーブル、網のポケット、そしてドリンクホルダーが付いています。テーブルはかなり大きめで、北海道の美味しい駅弁も仕事用のパソコンも十分に広げられるスペースがあります。

 

背面ポケットに入っていたのはJR北海道の車内誌と特急列車のルールについて。外国人観光客にも人気な北海道ならではなのか、車内のルールについては5か国語で展開されています。車内誌の方は近年、飛行機などでも見なくなっている中で特急列車にあるのはレア感が増しましたね。とにかく所要時間がかかりすぎる列車なので、なんだかんだでペラペラとめくって読んでしまいます。

 

座席上の荷物棚です。窓枠と同じ位置でフレームによって区切られています。通常の特急列車の荷物棚に比較するとかなり広いスペースが取られているように感じます。筆者はスーツケースを持っていましたが、空いていたので足元に置いていたので実際にどの程度の荷物なら入るのかは不明です。

 

こちらは1号車の先頭側のデッキです。運転台の横に立ち入り禁止の通路が設けられています。列車の先頭部分へとつながっている通路になり、恐らく前面展望が楽しめるのではないかと思いますが、安全上の理由から入ることができません。増結などでこの先にも車両が連結されるようなことがあれば通れることもあるかもしれませんね。

 

石北本線の長い旅路

ここからは特急大雪の車窓を紹介していきたいと思いますが、出発が午後5時過ぎ、到着が午後9時前と大半が真っ暗な中での列車旅。ほとんどの時間で車窓を堪能することはできませんでした。石北本線雄大な自然を感じる車窓を楽しみたいのであれば、昼間に走る特急をお勧めします。

旭川駅を発車するとしばらくは都会らしい高架線を走ります。高架線の上ながらも旭川近辺を走っている普通列車H100形が留め置かれていました。

 

旭川駅から2駅目の新旭川駅です。この駅から先で稚内方面へと向かう宗谷本線と今回網走まで走ることになる石北本線が分かれます。この辺りまではまだ住宅も見え、旭川の都市圏内の車窓でしたが、ここから段々と建物が減り車窓の視界が開けるようになっていきます。

 

旭川を出発してから約40分、やっと最初の停車駅である上川駅に到着をしました。こちらは大雪山への玄関口にもなっており、層雲峡温泉の最寄駅にもなっています。旭川駅から1号車指定席には10人程度が乗車しており、かなり空いている状態でした。上川駅でもちらほらと下車があったようです。

 

上川駅を過ぎると一気に山越えの区間へと入ります。ほとんど民家をはじめとした建物がありません。その代わりにこの区間で多いのは鹿。野生動物が多い区間を走行しますなんてアナウンスが入るほど、鹿と鉢合わせすることが多い区間になっています。実際に乗車中にも急減速して警笛を鳴らし、横には鹿が逃げていくという場面に出くわしました。

 

上川駅からお隣の白滝駅までは駅間が約37キロほどとJRの在来線で最も離れている区間になっています。これまで車窓に雪はほとんど見られませんでしたが、山越えであることを証明するように地面は雪で覆われていました。

元からそれだけ駅間が離れていたというわけではなく、いくつかあった駅が廃止となり、結果的にそれだけの長い駅間が誕生してしまいました。途中、写真のように元々は駅だったのでは?と思うような景色も見ることができました。

 

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上川駅の次の停車駅丸瀬布駅に到着することには真っ暗になり、うまく写真に収めることができませんでした。こちらはそのお次の駅遠軽駅です。旭川駅から2時間ほどで到着しました。

ここ遠軽駅は少し規模の大きい駅で、進行方向が変わります。この遠軽駅名寄本線という紋別などを経由して名寄へと向かう路線が出ていたのですが、残念ながら廃線に。現在は石北本線のみの駅となっています。


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遠軽駅で進行方向が変わるため座席の方向転換が必要になります。網走までは遠軽からもまだ1時間40分程度かかるので、面倒でも座席は回転させた方がいいはずです。

1号車指定席は遠軽でも多数の下車がありお客さんは数えられる程度に減っていました。そうなると座席も回転されず残っている場所もありました。


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石北本線沿いでは大都市といってもいい北見に到着しました。旭川からは3時間かからない程度、ここまでくると網走までも1時間を切ってきます。

北見駅周辺にはこれまでの沿線で見なかったようなビルやホテルが立ち並び、20時台でもまだまだ華やかな印象を抱きました。そんな北見で下車をする人が大多数だったようです。

 

北海道のさいはて網走へ

北見を発車してひたすら暗闇の中を進み、旭川駅から3時間40分ほど、終点の網走駅に到着しました。さすがにここまでくると車内はガラガラ。下車したお客さんも5人程度だったように思えます。時間としても21時目前ということで駅とはいえ人もほとんどいない状態でした。

 

石北本線は網走駅で終着となりますが、ここからさらに釧網本線が文字通り釧路まで伸びています。この先はまだ終電もあるようですが、特急大雪を下車したお客さん以外は人の様子を全く感じられませんでした。

 

網走駅の様子ですが、当たり前のように自動改札はありませんでした。どうやら知床斜里駅まで向かう終電はあるようですが、もう終電が行ってしまったのかと思うほどに人の気配がありません。駅前にはホテルがいくつかあり、特急大雪を下車したお客さんも早々に散っていってしまいました。

網走駅にはいくつか見どころがあるのですが、それは網走観光の様子で紹介したいと思います。

 

ということで以上、特急大雪の乗車記でした。

新たな車両が投入されるようになりましたが、長い旅路であることには変化なし。さすがの北海道の広さを感じる鉄道旅となりました。

道東網走は網走監獄に代表されるように北海道の中でも最果てな街として知られています。網走までの道を切り拓いてくれた先人たちのおかげで、そう苦労することなくやってこれましたが、それでもこれだけ長い時間が掛かるあたり、最果てを感じさせられました。

3両編成となった現在でも、まだまだその輸送力は過剰と思われてもおかしくはないかもしれません。ぜひ北海道の大自然を鉄道旅で楽しんで、鉄路を残していきたいですね。

 

 

この記事は2023年4月上旬時点での情報です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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