こんにちは。
今回はJR九州を代表するD&S列車の特急ゆふいんの森号の乗車記をお届けします。
博多と人気温泉地である由布院・別府の間を久大本線経由で結んでいるのが今回紹介する特急ゆふいんの森。たくさんの観光列車が走っているJR九州の中でも古参の観光列車で平成元年にデビューをした歴史ある列車となっています。
しかしその人気は衰え知らずで、全車指定席のゆふいんの森に乗車するには前々からしっかりときっぷを取っておかないと満席になってしまうことが多々あります。そんな中でも、1日1本だけある由布院別府間のゆふいんの森は比較的すいており、当日でも指定席券を確保することができました。
今回は大人気観光列車特急ゆふいんの森の穴場区間である由布院と別府の間で乗車した際の様子を紹介していきたいと思います。
以下目次です。
それではスタート!!
D&S列車特急ゆふいんの森
大分県のほぼ真ん中に位置している由布市にある由布院駅へとやってきました。今回乗車するゆふいんの森はここ由布院駅と博多駅の間を1日3往復運行しています。その中でも1往復は久大本線をもう少し進み大分駅を経由して湯布院と並ぶ温泉地である別府までを結んでいます。
湯布院と別府と2つの温泉地の間を移動する際に特急ゆふいんの森を利用すれば、移動時間も楽しみながら旅をすることができます。ゆふいんの森というと博多由布院間がメインですが、湯めぐりに使うのもおすすめです。
特急ゆふいんの森は2つのタイプの列車があります。今回乗車したのは写真のゆふいんの森Ⅰ世と呼ばれる車両です。4両編成の列車で、こちらが平成元年のゆふいんの森デビューの時から走り続けている車両になります。Ⅰ世の車両が1日1往復の別府までの運行に充当されることが多くなっています。
もう一つの列車がこちらのゆふいんの森Ⅲ世です。こちらは1999年に登場した比較的新しい車両で、先頭車も似てはいるものの、少しだけ異なるデザインになっているのが分かるかと思います。内装にも差があるようですが、Ⅱ世には乗車できていないので今回はその違いには触れることができません。こちらのⅡ世は5両編成での運行となっています。
今回は由布院別府間を走る特急ゆふいんの森3号に乗車して由布院から別府へと向かっていきます。ゆふいんの森は1日3往復ありますが、日によっては運行されない便があり、利用する際には注意が必要です。ゆふいんの森が運行されない際には特急ゆふとして同時刻に特急列車が運行されています。
乗車する特急ゆふいんの森3号は由布院駅を12:29に発車し、別府には13:27に到着する1時間に満たない観光列車の旅となります。
移動を楽しむゆふいんの森の車内
それでは乗車する特急ゆふいんの森3号、ゆふいんの森Ⅰ世の車内を紹介していきたいと思います。4両編成の列車は全席指定席になっており、自由席がないので乗車する際は指定の特急券が必須となります。
客室はすべてハイデッカーになっており、乗車すると座席までに必ず段差が発生しています。バリアフリーとは少し逆行していますが、作られた時代が時代なので仕方ないですね。ハイデッカーになっている車内からは久大本線の絶景を楽しめるようになっています。
車内へと入ってきました。今回は2号車指定席を利用します。2号車は後ほど紹介するビュッフェがある車両になっています。車内は照明や荷棚が日本らしくはないヨーロピアンなイメージを抱かせます。古い車両だからか座席もそこまで大きくはなく背が低めです。
座席は車体の色よりは深めの緑色、やはり座席のサイズは小さく昔の特急列車のイメージそのものです。最近のスリムな座席とは全く異なる重厚感を感じる席ですが、その分ゆったりとくつろぐことができるようになっています。
座席周りを紹介します。背面にはテーブルがなく、車内誌などが入りそうなポケットがあります。特に中には何も入っていませんでした。
足元にはフットレストが備えられています。折り畳んで収納された状態になっているので利用する際に引き出す必要があります。
観光列車なのにテーブルはないのか!という指摘がありそうですが、ちゃんとあります。座席の横の肘掛けの中に収納されているタイプのテーブルになっていました。
そこまで大きいテーブルではありませんが、ドリンクホルダーもあり、車内で楽しめる食事であれば十分なサイズかなと思います。
同じ2号車の客室端の部分には通常の座席とは異なるボックス席があります。座席の真ん中にはテーブルがあり、折りたたまれていることからかなりの大きさがあることが分かります。3名以上でなければ予約することができない座席ですが、家族や友人と旅行する際などはピッタリな座席ですね。同じ2号車のすぐそばにはビュッフェもあるので、非常に便利な位置にボックス席が用意されています。
ゆふいんの森車内で楽しむ大分の味
今回利用した2号車の博多側にはビュッフェと呼ばれる車内販売のコーナーが設置されています。観光列車ならではの軽食やスイーツなども合わせて特急ゆふいんの森の旅を楽しむことができるようになっています。由布院別府間の1時間に満たない区間でもしっかりと営業をされているので安心です。
ビュッフェにはカウンターがあり、そこで注文、会計をして受け取るタイプになっています。基本的には席に持ち帰っての食事という形になるかと思います。
こちらはそんなビュッフェのメニューです。軽食からデザート、飲み物もアルコールを含めて地元大分の名物を中心に豊富な品ぞろえが用意されています。こちらのメニューにはありませんが、そのほかにもゆふいんの森グッズの販売もされています。お弁当は事前予約が必要なので、事前に公式HPをチェックしておくべきでしょう。
ビュッフェには記念撮影用のボードが用意されています。こちらだけ撮るのもいいですが、乗車記念にボードを持って撮影してもらうのもいいですね。区間によってはこちらのボードを持って乗務員さんが座席を周ってくれることもあるようです。
ビュッフェのお隣3号車にはサロンスペースが用意されています。窓に向いた形で座席やテーブルが配置されており、景色を楽しみながら過ごすことができるスペースになっています。テーブルなどが設置されている反対側にはお子様用の乗務員の制服が用意されており、記念撮影などを楽しむことができるようになっています。さすが人気の観光列車ですね。
それではビュッフェで購入したものを紹介します。まずは左側、大分名物のかぼすを使用したアイスクリームです。柑橘系のかぼすの爽やかな風味が冷たいアイスとベストマッチしており、美味しいに決まっています。
そして右側は由布院ミルヒクラッフェンという焼きドーナツです。由布院に本店を構えるスイーツ店の焼きドーナツで、ふわふわ素材の味を楽しむことができました。
そしてお土産用にゆふいんの森キャンディも購入しました。それぞれの個包装にはゆふいんの森とJR九州のマークが入っており、自分用としてもバラマキ用のお土産としてもピッタリな一品でした。
ビュッフェには記念乗車証も置かれていました。裏面にはスタンプが押せるようになっており、乗車記念スタンプを押して完成する遊び心のある記念乗車証になっていました。ただこの乗車証のゆふいんの森の車両はⅢ世の方ですね…
湯布院と別府の2大温泉地を結ぶ
ここからは時系列での乗車記をお届けします。由布院駅では改札を通過して正面にある1番のりばより乗車する形になります。全席指定席で穴場区間の由布院別府間とはいえ、そこそこ乗車客がいるので乗車目標には列ができていました。
到着した特急ゆふいんの森3号は博多から満員のお客さんを連れてきているため、下車客がすべて降り切るのを待ってからの乗車となります。
ゆふいんの森に乗車して自席へとやってきました。ハイデッカーになっているだけあり、横に止まっている普通列車の窓よりも上からの車窓となっています。
同じ2号車には4割程度乗車しての由布院駅発車となりました。お客さんの割合としてはやはり韓国を主にして外国人観光客の方がほとんどを占めていました。前面展望を楽しめるような1号車はほぼ満席の状態だったので、車両によっても空席状況が変わってくるようです。
行きに乗車した特急ゆふに比較して湯平駅や向之原駅には停車せずに、由布院駅を出ると次に停車するのは大分駅となります。由布院駅を出ると由布盆地をしばらく進んでから山下りとなります。大自然を眺めながら段々を標高を下げ、大分駅に近づくにつれて車窓にマンションやビルなどが増えてくるようになりました。
由布院駅発車から45分ほどで大分駅に到着しました。県庁所在地で大分県で最も都会と呼べる街だとは思いますが、ゆふいんの森からの下車はほとんどありませんでした。やはり大分駅は観光客にとってはスルーしてしまいがちな場所なのかもしれません。
大分駅からは特急ソニックも走る日豊本線へと入り終点の別府まではもう間もなくです。
大分駅と別府駅の間は別府湾沿いを走る車窓が美しい区間となります。山の景色が美しい久大本線を走るゆふいんの森にはあまりない海の車窓を楽しむことができる珍しい区間となっています。
天気があまり良くはないですが、別府湾越しに別府の街、そして海沿いにはうみたまごと呼ばれる水族館も見ることができます。
別府駅が近づいてくると、山の裾の坂沿いに広がる別府の温泉街や別府の名物でもある湯けむりの姿も確認することができるようになりました。決していい天気ではありませんが、しっかりと湯けむりを見ることができてよかったです。
由布院駅から約1時間、別府駅に到着しました。別府駅は到着した際の独特な放送が有名ですが、やはり観光列車ということもあって名残惜しく下車するのにゆっくりと時間をかけている人が多かったように感じます。
ゆふいんの森は折り返し博多へと向かう準備を始めつつありますが、下車した人はほとんどが別府観光へと出かけていくはずです。
ということで以上、特急ゆふいんの森の乗車記でした。
さすが人気の観光列車ということもあり、穴場区間とはいえ混雑を見せていました。ただそんな混雑が気にならないような快適さがあり、移動の楽しさをしっかりと提供してくれる列車だったと思います。今回は紹介しませんでしたが、ハイデッカーになっていることで、先頭部分では前面展望を楽しめる座席もあるようです。
ゆふいんの森が走る同じ久大本線では2024年には新たな観光列車のデビューも決まっています。ゆふいんの森もまだまだその人気は健在ですが、既にベテランの域に入っておりこの先はそこまで長くはないのではないかと予想できます。しっかりと事前に計画を立ててきっぷを購入し、ぜひ乗車して湯布院や別府を観光を楽しんでみてください。
この記事は2023年2月中旬時点での情報です。
最後までお読みいただきありがとうございました。