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【近鉄乗車記】あをによし 京都と奈良を結ぶ歴史感じる観光列車

こんにちは。

今回は奈良と京都の間を走る観光特急列車あをによしの乗車記をお届けします。

近鉄というと大阪から京都奈良伊勢志摩に名古屋と日本一の路線網を誇る私鉄です。その距離の長さもあって多くの観光特急列車を走らせています。その中でも今回乗車していく特急あをによしは2022年の4月にデビューした最も新しい特急列車です。

あをによしは大阪・奈良・京都を結び、奈良に掛かる枕詞「あをによし」を名前に使い、内外装も奈良の文化をふんだんに使った観光列車となっています。乗車時間は短いですが、車内のエレガントさや乗車時間に合わせた車内販売等もあり移動を楽しめる列車になっています。

デビューから約1年がたち、気楽に落ち着いて乗れるようになってきた特急あをによしをじっくりと紹介していきたいと思います。

 

以下目次です。

 

それではスタート!!

近鉄奈良駅に停車中のあをによし

東大寺奈良公園といった観光地にもほど近い近鉄奈良駅へとやってきました。文化財がたくさん埋まってる奈良の中心部なのに地下駅なのがびっくり。大阪や京都へ向かう列車がひっきりなしに出発しているのでずっと混雑しています。

駅の改札前には奈良のお土産を扱っているお店や柿の葉寿司を販売しているお店が軒を連ねています。特急あをによしにも車内販売はありますが、奈良土産はここで調達しておくべきでしょう。

 

今回乗車するのは11時50分に出発する特急あをによし京都行です。特急あをによしはダ1便から第8便まで運行されており、1と8便は大阪京都間を2~7便が奈良京都間を走っています。1日の便数も多く、運行日も原則木曜を除く毎日と比較的乗りやすい観光特急となっています。

 

3番のりばへとやってくると既に特急あをによしの車両が停車していました。京都からやってきた第2便は奈良に11時34分に到着するため、そのくらいの時間には既にホームに入線していることになります。

特急あをによしは12200系という近鉄特急で活躍した車両を改造して作られた特急列車です。車両前面にはあをによしの文字とあをによしのエンブレムがつけられています。

 

車両は奈良の都の頃に高貴な色であった紫色でまとめられており、側面にはあをによしのエンブレムや奈良時代に多く用いられた文様が柄としてふんだんに使用されています。外装は高級感がありつつも、これまでには見たことのないような色遣いと柄の列車となっています。一方でドアが折戸になっていることなど、改造前の車両の面影を感じさせる部分も存在しています。

 

贅沢な造りの車内

それでは車内を見ていきます。特急あをによしは4両編成で、うち3両は写真のような座席になっています。特急あをによしは2人1席が基本となっており、残り1両には4人用のサロン席が用意されています。

車内は全体的に煌びやかな雰囲気で、外装もそうでしたが内装もまた他にはない唯一の特急列車になっています。

 

各車両の端には大きな荷物も置けるようなスペースが設けられています。座席は固定になっており各座席の荷物を置けるスペースがそこまで広くないので、大きな荷物はここに置いた方がいいでしょう。京都と奈良を結ぶという面では、多くの観光客、特に訪日外国人観光客も多い路線になるので必須の設備ですね。

 

座席は2種類、AB席は写真左側の向かい合わせのボックスタイプ、CD席は窓に向いたタイプとなっています。ボックス席は向かい合わせで話が盛り上がりそうですし、窓向きなら景色を堪能することが出来そうです。

2人席以上しか設けられていないあをによしですが、1名でももう1名分を小児料金で支払うことで利用できるようになっています。ひとり旅でも気兼ねなく利用できますね。

 

座席はリクライニングができない仕様になっています。乗車時間が京都大阪難波の最も長い区間でも1時間15分程度なのでリクライニングはそこまで必要ないかと思います。実際椅子も大きくゆったりと座れることができるのでこれで十分でしょう。

また、短い時間とはいえ座席下の壁側にはコンセントも用意されています。カーテンは横に束ねられているタイプですね。

 

今回はCD席を選択してみました。進行方向へ窓が連なる様子を眺めることが出来るこの席、車窓を楽しむのにはうってつけの席だと思います。窓側向きになっていることもあって通路や他の席が気にならないので、個室のような感覚で列車旅を楽しむことが出来るようになっています。

 

こちらは2号車のサロン席です。4人用のボックス席ですが、仕切りもあってこちらはもうほとんど個室です。2号車の3区画しかないため、このあをによしの中では最も取るのが難しい席となっています。実際この列車でも2区画が埋まっている状態でした。

 

元々近鉄特急として活躍していた車両ということもあって、もちろん化粧室も完備されています。洗面台は従来のデザインも何もないただの洗面台ではなく、観光特急列車の名にふさわしい陶器が使われており雰囲気のあるデザインになっています。

 

大阪難波・京都方面の先頭車両である4号車の車端部にはライブラリーと呼ばれるエリアがあります。あをによしが結んでいる3つの都市のガイドブックやお寺や仏像に関する本、そしてあをによしの本が読めるようになっています。ライブラリーの前には椅子が設置されておりここでこれらの本を楽しめます。

 

短い旅ならではの車内販売

2号車には車内販売カウンターが位置しています。近鉄の運行する観光特急列車では車内販売カウンターが用意されており、様々な地元の名物を楽しむことが出来るようになっていますが、その中でもあをによしは時間が短いためスイーツを中心のメニュー展開がされています。

カウンターの横にはショーケースが設けられており、目玉商品でもあるバターサンドと大仏プリンがたくさん置かれています。

 

今回はバターサンドをチョイスしました。飲み物とのセットで1100円。ホット・アイスのコーヒーと紅茶から選ぶことが可能です。

バターサンドは箱があをによしと同じ紫色、そしてあをによしのエンブレムがあしらわれています。箱から醸し出ている高級感、そうこちらはシェラトン都ホテル大阪にて作られているバターサンドなのです。

 

バターサンドの中身はこんな感じ。サンドのクッキー生地もあをによしの紫色になっています。うまく撮れず申し訳ございません。味はたしか柿と栗の2種類だったかと思います。シェラトンが製造しているだけあって当たり前のようにおいしかったです。

他にもアイスやプリンなど短い乗車時間でも簡単に食べられるものが多いので、あをによしに乗車したら車内販売カウンターをぜひ利用してみてください。

 

車内販売カウンターには記念乗車証が置かれており記念にもらっていくことができます。観光列車といえばの乗車証。最近はチケットレス特急券も流行りになってきており、実際の特急券が手元にないことが多いので、実際の特急券とは別に形に残るものがもらえるのは嬉しいですね。

 

2つの古都を結ぶ30分の列車旅

それではここからは車窓の様子を紹介しながらの乗車記をお届けしていきます。

地下の近鉄奈良駅とちょうどお昼時に発車していきます。平日の昼間という中途半端な便ということもあって車内はかなり空いていて、どの号車も4~5組ほどの乗車率になっていました。

 

近鉄奈良駅を出発してしばらく地下区間を走行し、地上に出て新大宮駅を通過すると見えてくるのが平城京跡。こんなことあっていいのかという話ですが、なんと近鉄奈良線は貴重な文化財でもある奈良の都の平城京跡のど真ん中を突っ切って走っています。

あまりに驚きの場所に線路を敷いているので、奈良時代から近鉄線が走っていたとも言われていますね。突っ切っているので、左右どちらの車窓からも奈良の都の姿を楽しむことができます。

 

平城京跡を抜けると平面交差で有名な大和西大寺駅に到着、ここでは乗降することが可能です。大和西大寺駅を出発すると近鉄京都線へと入り、京都へ向かって北上をしていきます。京都府とはいえ、まだまだ車窓は住宅地。このあたりでカウンターを利用したり軽食を楽しんだりするのがいいでしょう。

 

京都府に入りしばらく走ると宇治川が見えてきます。近鉄京都線は宇治には行っていません。宇治川の向こう側の山の上には伏見桃山城の模擬天守がちらっと見えています。これが見えると近鉄丹波橋駅に到着します。奈良と京都の間の停車駅は大和西大寺近鉄丹波橋の2駅のみです。

 

近鉄丹波橋駅で車内販売カウンターは営業終了とのアナウンスが流れました。丹波橋を出発して地下鉄との乗り換え駅竹田駅を通過するともう京都の街の中へと入っていきます。

京都に到着する直前に見えてくるのが五重塔東海道新幹線の車内から見える京都のシンボルでもある東寺の五重塔ですが、もちろんあをによしからも見ることができます。京都方面だと進行方向左側のAB席側です。

 

京都駅に近づくと急カーブを描きながら東海道新幹線の高架下をくぐってホームへと入っていきます。巨大な京都駅に入っていく様子は大きい窓を存分に活かした車窓の一つです。

 

近鉄奈良駅から35分、12時25分に近鉄京都駅に到着しました。こちらは奈良とは異なりすぐ隣にJRの京都駅があるので乗り換えにも便利です。ほとんど奈良京都間の乗車で途中駅での乗降車はほぼなかったと思います。お客さんが少なかったのと車内の内装も相まって、落ち着いた雰囲気漂う観光列車の旅になりました。

 

ということで以上、特急あをによしの乗車記でした。

たった35分の列車旅でしたが、満足度はかなり高く、質の高い旅行体験ができました。JRの観光列車とはまた一味異なった列車でした。

元々京都奈良は修学旅行でもどちらも回るような定番の組み合わせです。その間の移動はJRや近鉄がありましたが、どちらも通常の列車タイプ。そんな区間に観光列車があるならばそりゃ乗りますよね。近鉄はさすがの目の付け所といった感じです。平日にも運行され乗りやすい観光特急列車あをによし。ぜひあをによしに乗って日本が誇る2つの古都を巡ってみてください。

 

この記事は2023年1月下旬の情報です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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