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【乗車記】リゾートビューふるさと アルプスのふもと大糸線を走る観光列車

こんにちは。

今回は長野県を走る観光列車リゾートビューふるさとの乗車記をお届けします。

リゾートビューふるさとは土休日を中心に長野県長野駅から篠ノ井線を走り松本駅から大糸線に入り南小谷駅までを1日1往復している観光列車です。長野県の自然豊かな景色を列車で移動しながら、車窓から楽しむことができます。また、観光列車ならではの車窓観光案内、車内でのイベント、下車観光など様々なコンテンツが用意されており、ただ乗るだけで長野県の魅力を感じることができます。

今回は長野県の松本駅から乗車、大糸線を進み終点の南小谷駅までの区間を乗車することにしました。ゆったり過ごすことができる車内や車窓の眺め、下車観光までじっくりと紹介したいと思います。

 

以下目次です。

 

それではスタート!!

信州の自然を楽しむリゾートビューふるさと

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旅の始まりは松本駅です。リゾートビューふるさと長野駅が始発駅ですが、今回は行程の都合上、途中駅の松本駅から乗車していきます。

松本駅の発車時刻は11:43と昼前の時間帯。当日東京から中央線特急に乗車しても間に合うような時間設定になっています。

 

ホームにやってきました。今回乗車するリゾートビューふるさとの車両になります。2両編成の列車はハイブリット車両になっており環境に優しい乗り物です。

形としては同じJR東日本五能線を走るリゾートしらかみや新潟を走る快速海里などと同じ列車の形式となっています。

 

車両の側面は長野県のマスコットであるアルクマのラッピングが施されており、至るところにアルクマが描かれています。このラッピングはアルクマが登場して10周年を記念したもので、執筆時(2023年1月)には既に終了しています。せっかく長野のキャラクターなので定期的にラッピングしたらいいのにとは思います。

 

松本駅の発車案内には臨時等の表示ではなく、きちんと快速リゾートビューふるさとと書かれています。車両側面にあったリゾートビューふるさとのロゴと同じ色が使われています。ゾとビの濁点部分も色が付いていますね。

また、松本駅を発着する大糸線篠ノ井線系統とは少し離れた切り欠きホームの6番線を使用することが多いのですが、このリゾートビューふるさとは長野からやってくることもあって2番線を使用しています。

 

土休日を中心に定期的に走っている快速観光列車のため、足元には乗車位置がオリジナルのもので用意されています。1号車は松本の象徴でもある松本城があしらわれたデザインのものになっていました。さすが観光列車です。

長野始発の観光列車ではありますが、東京圏とのアクセスがいい松本駅からの利用もかなり多いからこそ専用の乗車位置があるのでしょう。

 

車両側面には快速リゾートビューふるさとの文字。行先である南小谷の文字は出ていませんね。南小谷まで乗る人が少ないのか、というよりも観光列車としての要素が強く、どこどこへ移動するために乗車しようというお客さんは少ないのでしょうね。

 

今回は南小谷方面で後ろの号車である1号車に乗車していきます。 長野県のマスコットアルクマに迎えられて車内へと入っていきます。

 

ゆったりした車内の紹介

車内に入ってきました。リゾートビューふるさと長野駅から南小谷駅までを往路は4時間20分ほど、復路は3時間15分ほどかけて走るため、車内はゆったりとした時間を過ごせるような空間となっています。座席は1段高い位置に設定されており、リゾートビューの名に恥じない迫力のある車窓が楽しめるようになっています。

車内通路上部にはモニターが設置されており、リアルタイムの前面展望などが放映されています。

 

1号車の車端部にはアルクマ用の座席が用意されています。座席1つ分をがっつり使うほどの大きさのアルクマ。車外のラッピングだけではなく、車内でも存在感を示しているアルクマなのでした。

ちなみにアルクマのプロフィールを覗くと趣味が信州旅行になっているので、こうやってリゾートビューふるさとに乗って毎週末信州を旅しているのですかね。

 

1号車、2号車ともに乗務員室のすぐ後ろに展望スペースが位置しています。このスペースから前面、後面展望を楽しむことができます。

展望スペースにはリゾートビューふるさとの乗車記念スタンプや沿線の見どころ案内、篠ノ井線大糸線の写真集など関連した品々が設置されています。どれも自由に見ることが出来るので、旅の予習復習もかねてチェックしておきたいですね。

 

座席は足元がとにかく広めに設定されています。上に荷物棚はありますが、足元にも大きな荷物を置けるほどの広さになっています。

座席には背面テーブルやドリンクホルダーも設置されていて長時間の旅を過ごせる設備が整っています。長野駅を午前中に発車し、南小谷駅に到着するのは午後2時台。したがって車内で昼食という方も多いはずなので、テーブルはありがたい大きさになっています。

 

1号車と2号車の間には化粧室に洗面台、そして車内販売の冷蔵庫が置かれています。車内販売はワゴンで回ってくるわけではなく、車内を巡回しているアテンダントさんに声をかけて購入する形になっています。見えているだけでもりんごジュースなどご当地のドリンクが揃っていますね。今回は特に購入はしませんでした。

 

こちらは展望スペースにあった車内販売のグッズメニューです。リゾートビューふるさとの車内でしか買えないグッズが用意されていました。長野県で走っている他の観光列車、おいこっととHIGH RAIL1375とコラボしているグッズも用意されていました。

ちなみに乗車記念スタンプも3種類の観光列車のスタンプが押せるような台紙になっています。すべて乗ってスタンプ押したくなっちゃいますね…

 

松本駅から大糸線を進む

松本駅には11時33分に入線、10分間の停車を挟んで11時43分に発車していきます。松本駅までの間と松本駅から先で進行方向が変わるため、松本駅では座席の回転をする必要があります。松本駅から乗車すると座席が進行方向とは逆向きになっているのでまずは座席を回転することから始まります。

松本駅では駅員さんたちによるお見送りを受けつつ大糸線を進んでいきます。

 


松本駅を出発し進行方向右側に一瞬松本城を眺めつつ、大糸線しか止まらない来た松本駅を過ぎると長野方面へ向かう篠ノ井線と別れて大糸線へと入っていきます。

大糸線に入っての最初の見どころは梓川です。景勝地上高地から流れてくる清流梓川。そんな梓川を渡ると北アルプスの麓を北上していきます。

 

穂高駅で30分の下車観光

松本駅から20分ほどで大糸線最初の停車駅穂高駅に到着します。こちらの穂高駅では停車時間が33分設けられており、駅の外に出て観光をすることが可能です。

穂高駅はわさびで有名な安曇野市に位置しており、徒歩5分のところに穂高神社があります。到着前の車内放送では穂高神社参拝をおすすめしていますが、出発時間までに戻ってくれば自由に行動することが可能です。

 

今回はおすすめに従って穂高神社を参拝してみることにしました。駅前には観光ガイドの方が待っており、解説しながら穂高神社まで案内してもらえます。下車して観光する人を一通り待ってからの出発になるので、自分で先に穂高神社へと向かうお客さんも見られました。

 

ガイドさんの話を聞きながら駅前の大通りを歩くこと数分すぐに穂高神社の鳥居が見えてきました。表参道とは別の場所から境内に入っていくことにはなりますが、それでも大鳥居が迎えてくれ、穂高神社の神域を感じることができます。

 

御祭神は穂高見命という海の神様。海のない長野県に海の神様が祀られているのも何とも不思議に感じますが、これは安曇野の地名の由来となったこのあたりに住んだ安曇族が元々は海運を生業として北九州におり、このあたりに移り住んだ際に海の神様をこの地に祀ったことがもとになっているようです。

実際に穂高神社の例祭では船の山車が曳かれるようで、そのあたりにも海との関りを感じることが出来るようです。リゾートビューふるさとの観光客以外にも、地元の人や観光客が多く賑わいのある神社でした。

 

リゾート地の信濃大町と白馬を通り抜ける

穂高駅での観光を終えて列車に戻り、再び南小谷に向けて大糸線を進んでいきます。

車内では昼食代わりに松本駅で購入してきた信州名物おやきを頂きます。定番の野沢菜といいたいところではありますが、きんぴらとあんこの邪道をいきました。というかきんぴらは王道ですかね。目でも舌でも信州を感じていきます。

 

穂高神社を案内してくれたガイドさんがそのままリゾートビューふるさとに乗り込み、信濃大町駅まで車窓のガイドを続けてくれます。

松本駅から1時間20分ほどで高瀬川を渡って信濃大町駅に到着します。信濃大町駅は温泉があるリゾート地であることに加えて、黒部立山アルペンルートの長野側の起点でもあります。ここまで雲に隠れていた北アルプスの山々ですが、信濃大町付近だけその姿を少し見せてくれるようになりました。

 

信濃大町駅では10分の停車時間があります。車内に残るも良し、ホームに出て駅を見学したり外からリゾートビューふるさとの写真を撮影するのも良しです。信濃大町駅のホーム上には駅そばがあり美味しそうな写真とにおいが漂ってきます。10分の停車時間でチャレンジする人はいるのでしょうか。この日はいませんでした。

信濃大町駅を出発する際には太鼓で合図出されて出発をします。

 

信濃大町駅を出てから次に停車する白馬駅までは30分ほどかかります。その間に車窓に広がるのは湖。青木湖、中綱湖、木崎湖の3つの湖があり総称して仁科三湖と呼ばれている湖です。

それぞれの湖で釣りや湖畔キャンプなどのアクティビティが楽しめるのが特徴で、湖上の小さな船で釣りをしている人がリゾートビューふるさとに向かって手を振ってくれる場面も見られました。

 

松本駅発車から2時間半、白馬駅に到着しました。長野オリンピックのスキージャンプの会場がある白馬。現在もスキーリゾートとして有名な観光地になっており、ここ白馬でも多数の下車がありました。

リゾートの中心部は駅から少し離れており、中心部には長野駅との間を直接結ぶバスがあり本数もかなり充実しています。白馬へのアクセスという面ではバスの方が優位に立っているように思えます。

 

謎の終着駅南小谷に到着

白馬駅を過ぎると姫川沿いをひたすら進んでいきます。明らかに両側に山が迫るようになってきて、山間部に入っているとはっきりわかるようになってきました。

ここまで来ると車内のお客さんは松本乗車時の半分以下まで減っていました。

 

松本駅発車から約3時間20分、終点の南小谷駅に到着しました。南小谷駅には1日1往復存在する東京方面との直通で運行されるあずさ号が停車していました。また写真には映っていませんが、反対側のホームには大糸線新潟県糸魚川まで向かうJR西日本の列車が停車中です。

リゾートビューふるさとを下車したお客さんもかなりの人数が糸魚川行きに吸い込まれて行きました。

 

南小谷駅の外に出てきました。駅には長野県を走る列車やリゾートビューふるさとの横断幕が掲げられています。完全に観光地のような雰囲気になっていますが、実際どのような見どころがあるのか、次回南小谷旅行記をお届けしたいと思います。

ということで以上リゾートビューふるさとの乗車記でした。

長い長い列車の旅で途中寝てしまうこともありましたが、楽しい観光列車の旅になりました。せっかくなので長野まで乗り、姨捨の景色を見たかったのですが叶わず。また今度乗る時が有れば長野松本間も乗ってみたいです。

 

この記事は2022年10月下旬の情報です。

最後までお読みいただきありがとうございました。