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【乗車記】ラ・マルことひら 観光列車La Malle de Boisで琴平から岡山へ

こんにちは。

今回は瀬戸内を走る観光列車La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)の乗車記をお届けします。

La Malle de Bois(以下ラマル)は岡山駅を起点に4方面に運行されている観光列車で、瀬戸内の様々な観光地へと向かいながら道中も旅として楽しむことができる観光列車になっています。全席グリーン車ながらも料金はそこまで高くなく、今回利用したラマルことひらならば特急南風の自由席料金よりも安い料金設定になっています。

手頃な価格ながらも列車旅を楽しめる観光列車のラマルを今回乗車したラマルことひらの乗車記を中心にして紹介したいと思います。

 

以下目次です。

 

それではスタート!!

観光列車La Malle de Boisとは

まずはラマルの意味ご紹介しておきます。

La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)はフランス語で「木製の旅行鞄」の意味を持ちます。外装にはカバンをモチーフにした柄がふんだんに使われており、車内も木を感じるつくりになっています。

瀬戸内国際美術祭をはじめとして最近はアートで注目されている瀬戸内地域。そんな地域を表現したアートな列車になっています。

 

列車は2両編成で全ての座席がグリーン車になっています。グリーン車と聞くとかなりお高い観光列車を想像してしまいますが、今回乗車したラマルことひらではグリーン車指定券がなんと1000円!観光列車の中でもお得に楽しめることができる方だと思います。

 

車体を横から見るとそれぞれの窓がカバンになっていました。旅行鞄のコンセプトに忠実に沿っています。

ここらでラマルが運行されているコースを紹介しておきましょう。

ラマルせとうち 岡山~宇野

ラマルしまなみ 岡山~尾道

ラマル備前長船 岡山~日生

ラマルことひら 岡山~琴平

この4つのコースを月ごとに分け、その月の土日に運行をしています。ただラマルことひらだけは特殊で、祝日や正月など特別な休みの日にしか運行がされないレアな行先になっています。コースによって所要時間は異なりますが、1時間から2時間くらいになっておりちょうどいい時刻に設定されています。

 

La Malle de Boisの車内

それでは車内の紹介をしていきたいと思います。まずは車端部から。2両編成の列車の前後の運転席近くには座席がありません。その代わりに自転車を置くことが出来るラックが設置されています。

尾道に向かうラマルしまなみと宇野へ向かうラマルせとうちのみで販売されている自転車用の座席で、利用券を発券してもらうことで利用することができます。今回のことひらでは自転車を積むことができないようになっています。左側の自転車は元から演出として置いてあるものです。

 

2号車には車内販売を行っているカウンターがあります。

こちらでは地元岡山や瀬戸内の素材を生かした飲料、食事のほか、ラマルならではのグッズも販売されています。2つのジェラートや地元素材を使ったチューハイは心躍りますよね。筆者が注文したものは後ほど紹介します。

グッズに関しては利用した琴平からの復路では売り切れているものもいくつかあったので注意が必要です。

 

1号車には利用者が書き込める旅ノートとアート作品がありました。アートをコンセプトとしてるだけに、車内にはいくつかのアート作品が展示されていました。

またラマルが運行している各地のパンフレットなども置かれていたので、車内で下車後の観光を考えることもできそうです。

 

旅ノートの横には乗車記念証とそれに押すことが出来るスタンプが設置されています。

スタンプは写真のようにかばんのマークとなっています。ここまでラマルのコンセプトが用いられているようですね。

 

1号車にはトイレも設置されています。所要時間がそこまで長くないことや、途中ホームに降り立つことが出来る停車時間が長い駅もあるので、車内のトイレが苦手な人でもそこまで苦労しなくて済みそうです。


La Malle de Boisの2種類の座席

車内には2種類の座席が設けられています。まずは通常の特急列車のような2列のリクライニングシートです。ドア付近だけ窓割が若干あっていないような気もしますが、ゆったりと座れる座席になっています。

また車両の床は木が使用されており、車内の高級感、旅の非日常感を醸し出してます。

 

2列のリクライニングシートには背面テーブルと肘置きの部分にある小さなテーブルの2種類が用意されています。軽食とお酒を車窓を見ながら気軽に楽しむこともできるし、車内販売や駅で購入した駅弁をがっつりと楽しむこともできます。

またこちらの座席には電源も設けられていました。観光列車ながらも時代のニーズに応えているのが素晴らしいですね。

 

2列リクライニングシートの反対側にはカウンター席が並んでいます。

少し高めながらも窓の方を向いており、瀬戸内の絶景を楽しむにはもってこいの座席になっています。ここで景色を肴に楽しむお酒も良さそうですよね。

 

そんなカウンター席の頭上には本棚が設置されています。瀬戸内や芸術に関する本が置かれていたり、美術品を意識した展示が行われています。少し気付きにくい場所ですが隅々までコンセプトが意識されている所に感激しました。

 

14時過ぎに琴平駅を出発

出発は午後の2時過ぎ。岡山行きの特急南風の後に出発していきます。車両自体は15分ほど前から乗り込むことができ、発車に備えて車内販売を購入しておくこともできました。早々に乗り込み、荷物を置いてから車内探検や琴平駅ホームからの撮影などを楽しむことができます。

発車直前に既に車内販売カウンターでほしいものを調達していきました。

左側には観光列車に乗った際に記念として購入しているファイル。ラマル仕様のものがしっかりと用意されています。

右側は岡山名物の白桃ネクターと事前予約が必要な旅するせとうちスイーツBOXです。岡山にあるタルトのお店がこの列車のために作ってくれるミニタルト5個セットになっており、箱は乗車しているラマルをモチーフに作られている商品です。今回は事前予約しておきました。

 

ミニタルトは季節に合わせて内容が変化するようになっています。乗車した際はハロウィンも近い10月。秋の味覚とハロウィン特別仕様のミニタルトを楽しむことができます。

味としては左から、お芋、みたらし団子、生チョコバナナ、瀬戸内レモン、親子モモというラインアップでした。地元のものを楽しめるのはもちろん、訪れる時期によっても内容が異なるのも嬉しいですね。

 

琴平を発車して、善通寺駅を挟んで、予讃線との合流地点多度津駅に到着しました。

多度津駅では10分ほどの停車時間があり、ホームに降りて記念撮影をすることができます。特急しおかぜや南風がやってくる多度津駅ですが、ラマルはかなり珍しいらしく、ホームにいた人たちも普段は見ない列車に目を向けているようでした。

ここで松山方面からやってきた特急しおかぜを岡山方面へ先に通します。

 

途中時間調整のため、丸亀駅宇多津駅運転停車。どちらも扉が開くことはありませんでした。

車窓からは日本一の石垣を誇る丸亀城を見ることができます。車内では車窓から見える名所の解説放送が入り、観光列車の雰囲気と車窓を存分に楽しむことができます。

 

瀬戸大橋をゆっくりと進む

宇多津駅を出発すると予讃線の線路を離れて岡山方面へと向かう瀬戸大橋線へと入って行きます。

車内からはもちろん前面展望を楽しむことができます。本州から四国の向きであれば快速マリンライナーのパノラマグリーンで楽しめますが、四国から本州の前面展望を楽しめる列車はそう多くありません。

 

上から瀬戸中央自動車道が合流すると本格的に瀬戸大橋部分が始まります。瀬戸大橋というとイメージは1つの長い橋があるような気がしますが、瀬戸大橋はいくつかの橋が連なって瀬戸大橋と呼ばれているため、途中曲がっている部分もあります。

特に島の部分ではカーブやトンネル部分もあり複雑な橋の構造になっているのがこのラマルの前面展望から楽しめます。

 

そして瀬戸大橋を渡る前までいくつかの列車に抜かされており、後ろから迫ってくる列車はそこまでないためゆっくりと瀬戸大橋を走ってくれます。
瀬戸大橋から望む瀬戸内海や島々、そして途中途中で入る島部分も含めてゆっくりと楽しむことができます。他の特急列車などは早い速度で駆け抜けてしまうので、ここまでゆっくり楽しめるのはラマルが唯一だと思います。

 

特急に抜かれながら岡山駅へと向かう

瀬戸大橋を渡り終えると児島駅に停車します。ここでは11分ほどの長めの停車。児島駅では乗降が可能でここで降りていくお客さんもちらほらといました。

児島駅で後ろから来た快速マリンライナーに抜かれていきます。速達性は捨ててゆっくりと沿線観光に徹する観光列車。さすがですね。

 

児島駅を出るとお次は宇野みなと線が分かれる茶屋町駅に停車します。茶屋町駅では当駅始発・終着の宇野行の列車が発着する真ん中のホームに停車します。

 

茶屋町駅では琴平をラマルの40分ほど後に出発した特急南風が颯爽と抜いていきます。茶屋町駅は10分の停車時間があります。

茶屋町駅はホームに降り立つことは出来ますが、乗車や下車をすることはできないため、発車案内は回送扱いになっています。

 

茶屋町駅を出ると次は早島駅に停車します。早島駅から岡山駅までの間は単線になっており、ここでは岡山方面から来る列車と交換待ちを行います。ドアを開けてホームに降りることができ、8分ほどの停車時間がありました。

反対側からやってきたのは瀬戸大橋アンパンマンロッコ号。岡山と高松を結ぶ列車で窓のないトロッコ車両を連結しています。一瞬で早島駅を通過していきましたが、車内は多くの家族連れで賑わっているようでした。

 

早島駅を出るとラストスパート、桃太郎の桃が流れてきたという伝承のある笹ヶ瀬川を渡り岡山駅に戻ってきました。琴平からの所要時間は2時間ほど。停車時間を除くと実際に走っている時間はそう長くはないですが、充実した観光列車の旅になりました。

 

岡山駅は四国方面瀬戸大橋線の列車が発着する5番のりばに到着。発車案内には臨時ラ・マル・ド・ボァ当駅止と丁寧に案内されていました。ここまでの駅ではラマルことひらが多かったのでさすがラマルの拠点岡山駅といったところでしょうか。

 

そんな岡山駅の5番のりばの前には自転車の組み立て解体スペースが用意されています。
ラマルしまなみで尾道サイクリングを楽しめるようにこういった設備を設けているのはありがたいですよね。

 

 

ということで以上乗車記でした。

琴平から岡山までゆっくりと進む列車旅。車窓の眺めや車内で頂く地元の美味しいものなど観光列車の醍醐味をとことん楽しむことができた2時間になりました。

切符は激戦というほどでも無く、そこそこ空席もあるようで、その料金の安さも相まって気軽に利用できる観光列車ではないかと思います。なかなかラマルことひらが運行されることは少ないですが、ことひらに限らず瀬戸内を存分に楽しむことができるLa Malle de Boisに是非乗ってみてください。

 

この記事は2022年10月上旬の情報です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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